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建築探訪
新潟県林業会館
所在地:
新潟県新潟市
中央区川端町2-9

写真1:外観


市内中央を流れる信濃川の土手沿いに整備された遊歩道をレンタルサイクルで走行中、偶然この建物が目に留まる。 両端コア形式の建物構成が外観目視にて瞬時に認識可能な明解な外観。

一階はこの両側のコアのみであり、その間は広いピロティ空間。 そして二、三階はコアの間を架構で結び、更にそこから直交方向にオーバーハングさせた構造体により執務空間を形成。 ダイナミックで動的なプロポーションを外観に与えている。 四階は、オーバーハングさせずに両端コアを繋ぐ壁面を強調したボリュームで頂部を引き締める。 等間隔に並べられた六角形の窓がデザイン性を補完。
写真1でも確認できる西側立面におけるこれらの構成要素は、そっくりそのまま裏側の東面ファサードにも用いられている。

ピロティ空間を見上げると、両端コアに架け渡されたコンクリート打放しの大梁が見える。 その大梁に直交して片持ち梁が等間隔に並び、その上部二層分のオーバーハングを支えている。 更に小梁の先端を両側から挟み込むように吹寄せ格子風にマリオンが配列され、オーバーハング部分正面のデザインの要を為す(写真2)。
竪と水平の部材が織り成す端正な構成が美しい。


写真2:
ピロティ見上げ

写真3:
西側立面

マリオンの背後はガラス壁にて構成。 コアから張り出した二階及び三階のボリュームを軽快に見せると共に、マリオン自体を際立たせている(写真3)。

一階をピロティ形式としたのは、信濃川に面する立地条件を考慮した水害対策を意図したものであったのだろうか。 当該部分は駐車場として有効に活用されていた。



2015.04.18/記