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建築探訪
栃木県庁舎議会議事堂
所在地:
栃木県宇都宮市
塙田1-1-20

建築年:
1969年11月

設計:
大高建築設計事務所

施工:
鹿島建設

規模:
4412.1平米
(竣工時)
備考:
現存せず(2007年除却)

写真1:外観.1


※1
写真4:
エントランス見上げ。
絶妙なプロポーションで配置された壁面や柱にトップライトからの光が射し込む象徴的な空間構成。

※2
写真5:航空画像*

中央に見える勾配屋根を持つ棟が、議事堂の主要用途を納めた棟。 その周囲をコの字に棟が囲う構成が確認できる。
写真1は右下の方向から撮ったもの。

十字形の断面をなす柱が二層分の高さで立ち上がり、その上に横たわる巨大な梁を支えている。 そのフレームの上部に3階が作られ、下部に2階が吊り下げられている。
1階部分は、その殆どをピロティとした構成。 2階と3階はプレキャストコンクリート製の軸材を多用することで、特徴的な外観を形成している。

建物全体は、エントランス※1や議場といった議事堂の主要用途を納めた棟を、この独特な外観を持った棟でコの字型に囲んだ構成※2
そしてコの字に囲った部分には、議事堂に必要な諸室を配置することで動線が整理されたプランになっている。

鉄筋コンクリート造でありながら伝統的な木造建築のような印象を受ける。 とはいっても、そのディテールには伝統的な様式の模倣は見受けられない。 コンクリートという材料の物性に見合ったディテールが新たに開発され、用いられている。 にも関わらず、日本的な情緒を感じさせるところが面白い。
例えば骨太な柱で建物を持ち上げる構成は、どこか古代の力強い高床式神殿を彷彿とさせる。 また、プレキャストコンクリート製の軸材を組み合わせた構成が連続するプロポーションも、寺社に見受けられる組み物や垂木の様な繊細な木造の風情をイメージさせる。 セットバックやピロティによってもたらされる陰影も、和に通じるものが認められよう。
杉板型枠と小叩き仕上げを使い分けたコンクリートの表面仕上げも繊細。 足元に配置された石垣や水路も、和感を補完する要素になっている。



写真2:
外観.2
写真3:
エントランス側立面


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引用した図版の出典:
* 航空画像:国土画像情報(カラー空中写真)<国土交通省>
参考文献:
写真記録 第4代栃木県庁舎<栃木県総務部県庁舎整備室>

2007.10.06/記
2011.10.13/概要欄追記